誠に勝手ながら、サナでは明日から8月15日まで夏季休業とさせていただきます。
期間中皆様にはご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解、ご了承のほどお願い申し上げます。
さて、多くの地域では8月13日から15日まで「お盆」が始まります。
帰省される方、お墓参りをされる方、旅行される方、それぞれです。
この「お盆」の始まりはなんでしょうか?
「お盆」とは、「盂蘭盆会(うらぼんえ)」の略で、この「盂蘭盆」はサンスクリット語の「ウランバナ」の音写語だそうです。
一説では、「ウランバナ」は「逆さ吊りの苦しみ」という意味になります。
日本に広く伝わっているお盆は、お釈迦様の弟子の一人である「目蓮(もくれん)さん」のエピソードが大きく影響されている様に感じます。
この目蓮さん、神通力を使えた様です。
ある日、亡くなった母親の様子を見ようと神通力を使い天国を覗いてみたところ、母親の姿が見つかりません。
まさかと思い地獄を覗くと、餓鬼の姿となった母親を地獄で見つけてしまいました。餓鬼の姿は、口から火を吹き、喉が針穴の様に細く、下っ腹が異様に膨らんでいるそうです。
あんなに優しかった母親がなぜ地獄に?
納得できないまま目蓮さんは、神通力によって餓鬼となった母親にお水や食事を与えようとするも、口に入る直前に水は蒸発し食事は炭になってしまいます。
正に逆さ吊りにあった様な苦しみ、もうそれ以上の苦しみですよね。
目蓮さんは号泣し、お釈迦様に相談します。
どうやら目蓮さんの母親は、息子の目蓮さんを可愛がるあまり、他者に対する施し蔑ろにしていたようです。
お水を欲しがる人に「このお水は息子のだから!」と言って、沢山の水が入った瓶から一滴も譲ってあげない、といった様に。
お釈迦様は目蓮さんにこう説きます。
今地獄で餓鬼になっている母親に対して直接水や食事を与えて救う手は無い。
しかし、もうすぐ僧侶たちの夏の90日間の修行(旧暦で7月15日)が終わる。その僧侶たちに食事と水を施しなさい。
布施(水と食事)を受けた僧侶たちは大いに喜び、その喜びは餓鬼となった者たちにも伝わり、目蓮さんの母親の口にも水と食事が届き救われた。
お盆棚に食べ物や水を上げて供養をする風習はこのエピソードが由来の一端みたいです。
自分の家のご先祖様や亡くなった親族の為だけにお供えをしているわけではなく、その他のものたちへの施しの意味があるんですね。
それに加えて盆時期に良く取れる夏野菜の「胡瓜の馬」や「茄子の牛」の様な、日本の愉快な農耕駄洒落風習が混じってます。
皆様も盆棚にお線香を上げる際はこの事を思い出して、ほんの少しでも他者の為に祈ってみてください。
いつもと違うお盆休みが過ごせるかもしれません。
東北営業所 黒澤