- サナ通信
- 2014.04.04
サナ通信 Vol.5 加圧浮上装置の中ってどうなってる?
加圧浮上装置の中ってどうなってる?
《加圧浮上装置を再確認》
加圧浮上装置は固液分離装置の一つで、廃水のSSやn-Hexの分離除去に優れており、食品工場などの油脂含有廃水の生物処理の前処理として多く使用されています。しかし前処理に加圧浮上装置があることを前提に後段の生物処理が設計されていることから、加圧浮上装置が正常に機能しないと瞬く間に処理不良を起してしまいます。曝気槽が発泡したり、汚泥の色が白っぽくなったりしてくると危険信号です。
まめに微調整をすることが少ない加圧浮上装置ですが、中がどういう構造になっているか、管理ポイントはどうだったか、忘れがちなところを一緒に確認しましょう。
加圧浮上装置のチェックポイント!
(食品工場などの前処理のケース)
- 加圧浮上前の凝集具合(細かくなく崩れにくい強固な状態が良い)
- 原水流量が過剰でないこと(浮上槽の表面積負荷は一般的に4~7m3/m2)
- 加圧タンクの圧力(概ね0.3~0.5MPaに設定)
- 余剰エアーの定期的な排出(加圧タンク内余剰エアーが多くならないように供給排出のバランスを取る)
- 加圧水の流量(概ね原水の半分~倍量)
- フロスの掻き取り(浮上槽の水位を低くし過ぎないこと。スクレーパーゴムなどのチェック)
- 浮上槽内に溜まった沈殿汚泥の定期的な引き抜き(溜めないこと。悪臭の原因にもなります)
『フロスについた気泡はたやすく脱離します。』
浮上したフロスは速やかに除去されないと気泡が外れ、浮上フロスは下降を始めます。こうなると処理水中にフロスが流出し、後段の生物処理に悪影響を及ぼします。また加圧タンクにもフロスが流入することとなり、加圧タンクの諸配管の詰まり原因になるので注意が必要です。