- サナ通信
- 2020.12.17
サナ通信 Vol.25 発泡性のある糸状性細菌をご紹介
発泡性のある糸状性細菌をご紹介
活性汚泥での発泡原因で知られているのは、低負荷解体時の『自己消化』による発泡や、高負荷時の分解過程の発泡、洗剤等の界面活性剤による発泡等がありますが、発泡性のある糸状性細菌が存在する事をご存じですか?発泡だけでなく、バルキングの要因にもなりますので、注意が必要です。今回はそんな発泡性のある糸状性細菌の特徴や対応策をご紹介します。
1.放線菌
その名の通り、放射状に分岐している糸状性細菌です。出現環境は、
- SRTが長く、低BODMLSS負荷環境の場合
- 油脂分の流入が多い場合
このような条件が重なると、放線菌が発生しやすくなります。放線菌が持っているミコール酸は疎水性の為、活性汚泥に発生すると、発泡やスカム発生に繋がる為注意が必要です。
2.ミクロスリックス
不自然に折り曲がり、糸状性細菌単体で存在している特徴があります。出現環境は、放線菌と似ており、
- SRTが長く、低BOD/MLSS負荷環境の場合
- 亜硝酸濃度が高い場合
といった条件で出やすい傾向があります。放線菌の泡と見た目が似ており、粘性を持った疎水性の泡が特徴です。沈殿槽でのスカムにも繋がりますので、放線菌同様注意が必要な糸状性細菌の一つです。
このような糸状性細菌が発生した場合、まずは発生原因を探ることが大切です!
- 油脂分の流入が多い場合・・・油脂対策をご提案します。〔SANA-油トール・SANA-WN-EX〕
- SRTが長く、低負荷環境の場合・・・運転操作+薬剤での対策を提案します。
- 運転操作変更が出来ない場合・・・糸状菌対策剤〔SANA-BUSTER〕で駆逐する方法もあります。
気温が低くなった冬は、曝気槽において油脂など疎水性物質の分離が起こりやすく、また、活性汚泥中の菌の活性度が低下し、油脂分の分解が停滞化するなど、発生条件が整いやすくなります。それに加え、年末年始は工場からの原水量が減ったり、原水流入が止まったりするため、低負荷環境に陥りやすい傾向にあり、さらに注意が必要です。
まずは現状の把握を行い、その施設に合った対処方法を提案させていただきます。運転管理のアドバイスをはじめ、水処理トラブルの薬剤提案まで、幅広い対応が可能です。経験豊富な現場スタッフがご相談、現場調査、汚泥分析など無料にて対応させていただきますので、お気軽にご連絡ください。