- サナ通信
- 2017.09.21
サナ通信 Vol.15 膜の詰まりの原因とは?
膜の詰まりの原因とは?
どんな汚泥でも膜処理に適しているとは限りません!
『膜処理』と聞くと、汚泥濃度を高く保持可能かつ施設がコンパクト化できるほか、沈殿槽がいらないため、「管理が簡単!」という印象をお持ちの方が多いと思います。しかし、活性汚泥と同様に、流入原水質のバランスや外的要因等によって汚泥性状が決まり、その如何によっては膜が閉塞しやすくなってしまう場合があります。そんな時に備え今回のトピックスは、膜の閉塞原因について考えていきたいと思います。
こんな場合は要注意
一概に膜の閉塞原因を断定することは難しいですが、以下のような要因が考えられます。
1.油脂分の大量混入
油分は生物分解に時間がかかるため、分解しきれず膜に付着してしまいます。油脂混入時の弊害について詳しくはサナ通信No.007を参照ください
2.フロック形成不足
活性汚泥処理と同じく、負荷増減・DO変動等によってフロックが良好に形成されていない場合、膜が詰まりやすくなります。
3.汚泥の粘性が高い
高負荷にも対応出来るのが膜処理のメリットですが、継続的に高負荷の原水が流入することによって、処理が追い付かず粘性が高い汚泥になり、膜の詰まりに繋がります。
4.糸状菌が発生している
沈殿槽がない分、バルキングによる汚泥流出を心配する必要はありませんが、時として糸状菌が膜に張り付き、閉塞する場合があります。(糸状菌について詳しくはサナ通信No.010を参照ください)
対策!
一例ではありますが、改善策は以下の通りです。
1に対応:油脂分解促進剤『SANA-油トール』のご使用をおすすめいたします。
2に対応:良質なフロック形成を促す為、活性汚泥活性剤のご使用をおすすめいたします。
3に対応:症状によって対応策はさまざまです。お気軽にご相談ください。
4に対応:要相談...糸状菌が発生しない環境を作り出す必要があります。
以上のような原因によって発生する『膜の詰まり』。膜の交換や運転操作で直ることもありますが、場合によっては根本的な汚泥性質から変える必要があるかもしれません。まずはお気軽にご連絡ください。現場スタッフがご相談、現場調査、汚泥分析など親身に対応させていただきます。