産廃費削減事例
シロップ廃液産廃削減事例
シロップ廃液を排水処理施設で処理した場合
- 排水対策
施設概要
- 流入量
- 300㎥/日(一般排水のみ)
- 曝気槽容積
- 300㎥/日×2槽、90㎥×4槽
(前段に前処理接触槽200㎥あり) - 原水BOD値
- シロップ廃液111000mg/L、一般排水2600mg/L
- 設計BOD値
- 4400mg/L
お困りごと
9㎥/日排出されるシロップ廃液の産廃費用が月50-60万かかっている。産廃費を削減する為、5㎥/日量、排水処理施設で処理を図りたい。
現状分析
水質分析結果
原水データ(単位:pH以外はmg/L)
一般排水 | シロップ廃液 | 曝気槽流入原水 | |
---|---|---|---|
pH | 4.0 | 3.8 | 6.9 |
BOD | 2600 | 111000 | 790 |
COD | 2100 | 48000 | 1000 |
曝気槽データ(単位:pH以外はmg/L)
曝気槽水 | |
---|---|
pH | 7.3 |
MLSS | 2700 |
検討
シロップ廃液投入の検討①
シロップ廃液投入が無かった場合の容積負荷、MLSS負荷を求め、現状の処理施設の状況を把握します。
※参考データ
曝気槽容積:960㎥、MLSS値:2700mg/L(2592kg)
流入量:300㎥/日、曝気槽流入原水BOD値:790mg/L(237kg/日)
【BOD容積負荷】
適正値:0.3-0.8BOD-kg/㎥・日
BOD容積負荷0.24BOD-kg/㎥・日=流入BOD[237kg/日]÷曝気槽容積[960㎥]
【BOD・MLSS負荷】
適正値:0.2-0.4BOD-㎏/MLSS-㎏・日
BOD・MLSS負荷0.091BOD-㎏/MLSS-㎏・日=流入BOD[237㎏/日]÷MLSS量㎏[2592㎏]
BOD容積負荷及びBOD・MLSS負荷は適正値よりも低くBOD源の補給がフロック形成菌へ活性度向上に役立つと考えます。
シロップ廃液投入の検討②-1
処理施設設計値と計量分析結果から現状の処理状況の余力を割り出し、シロップ廃液を処理可能かどうか判断します。
《処理施設設計値より》
設計BOD量1350kg/日=流入量300㎥/日×BOD値4500mg/L
《計量分析結果より》
流入量:一般排水300㎥/日 シロップ排水5㎥/日で算出
一般排水BOD量……780kg/日=流入量[300㎥/日]×BOD値[2600mg/L]
シロップ廃液BOD量……555kg/日=流入量[5㎥/日]×BOD値[111,000mg/L]
前処理槽流入BOD量……1335kg/日=一般排水BOD量780kg/日+シロップ排水BOD量555kg/日
シロップ廃液投入の検討②-2
《処理施設余力》
追加処理可能BOD量15kg/日=設計BOD量1350kg/日-前処理槽流入BOD量1335kg/日
つまり、シロップ廃液が5㎥/日流入した場合でも、設計BOD値から計算すると、処理可能であることが分かります。
結果
以上検討①②より、
- 通常排水のみの場合は低負荷環境
- シロップ廃液5㎥/日は、既存施設で処理可能
慢性的低負荷環境の際に起こる、自己消化による処理水の濁り対策としてもシロップ廃液の投入は有効であると判断します。
ご提案
産廃費用削減及び、低BOD負荷環境改善に向けシロップ排水の処理量を増量する事は可能と判断しますが、一般的にシロップ排水のような糖分の多い原水は溶解性のBODが高く、糸状菌の繁殖しやすい環境でもあります。糸状菌繁殖の予防に高濃度菌剤『SANA-WN-EX』をバイオアタック槽へ添加する事をおすすめします。
『SANA-WN-EX』に含有しているフロック形成に寄与する菌をシロップ排水の糖分(溶解性BOD)により増殖、優占化させる事により、糸状菌の繁殖を予防します。また、継続添加をする事によりフロック形成菌が曝気槽後段まで届き、系内での糸状菌繁殖の予防にも繋がります。
「SANA-WN-EX」の添加について
『SANA-WN-EX』の添加を以下の通りご案内致します。
高濃度菌剤『SANA-WN-EX』
添加量 | 1㎏/日 |
---|---|
添加頻度 | 原水流入日 |
添加場所 | バイオアタック槽 |
添加方法 | 1回/日(手投入) |
結果
シロップ廃液150㎥/月(5㎥/日×30日)を産廃としなくなることで削減されるコスト
¥445,000/月
『SANA-WN-EX』の使用により増えるコスト
¥180,000/月
トータルで削減されるコスト
¥445,000/月-¥180,000/月=¥265,000/月
年間¥3,180,000のコスト削減可能。(※新たな汚泥生成による産廃排出量を加味しない場合)
注釈
流入原水基質、設備状況による処理能力や、運転操作変更の有無で効果は異なります。季節ごとの水温による処理能力変化、製造品目の変化等によっても効果が異なる場合があります。
施設状況、流入原水基質を把握した上で、各排水処理場ごとの最善なご提案をいたします。ご提案における水質分析、顕微鏡観察など無償でおこないますので、お気軽にご相談ください。
導入製品
SANA-WN-EX
油脂分解酵素リパーゼと、リパーゼを多く産出するSANA菌群SANA-EXを主体に、天然腐植物質及び海藻ミネラル等を特殊配合し、特に油脂分解能力を強化した水処理剤です。投入量が多いほど、菌数が増殖し、油脂分解が促進されます。排水処理現場に合わせた具体的な使用量は、サナ営業員にご相談ください。
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