製粉工場 排水処理施設
臭気対策事例
消臭剤での硫化水素低減による曝気槽内DO値改善。
調整槽の清掃、散気管設置に合わせ、分解促進による臭気発生抑制を提案し、更に安定した運転管理となりました。
- 臭気対策
問題点
- 調整槽内に、蓄積物が堆積することでpHが低下していて、臭気が発生
- 曝気槽のpHが低く、DO値が低下することで、BOD分解鈍化による未処理傾向
試験方法
液体脱臭剤「スメロンラックDL-N」を使用し、臭気測定試験を実施しました。
臭気測定結果
1.原臭測定結果
硫化水素 | メチルメルカプタン | アンモニア | 低級脂肪酸 | pH | |
---|---|---|---|---|---|
調整槽水 | 40ppm | 1.5ppm | ND | 0.2ppm | 4.24 |
- 各悪臭物質の検出限界は0.2ppm
- 低級脂肪酸は酢酸の検知管を用い、酢酸濃度として表示
- NDは不検出を、TRは痕跡を示す
酸性の臭気である硫化水素、メチルメルカプタンが検出。硫化水素は、曝気槽DO値低下に起因するため、臭気対策による曝気槽内DO値改善も合わせて提案いたしました。
2.脱臭試験結果
i)速効性試験【単位:ppm】
添加率 | 硫化水素濃度 | メチルメルカプタン濃度 |
---|---|---|
スメロンラックDL-N無添加 | 40 | 1.5 |
スメロンラックDL-N 100ppm |
10 | ND |
スメロンラックDL-N 200ppm |
3.0 | ND |
スメロンラックDL-N 300ppm |
ND | ND |
ⅱ)遅効性試験
測定 悪臭物質 |
薬剤添加後の経過時間(室温) | |||
---|---|---|---|---|
1時間後 | 6時間後 | 24時間後 | ||
無添加(原臭) | 硫化水素 | 40 | 40 | 15 |
メチルメルカプタン | 1.5 | 1.0 | 1.0 | |
スメロンラックDL-N 100ppm |
硫化水素 | 10 | ND | ND |
メチルメルカプタン | ND | ND | ND | |
スメロンラックDL-N 200ppm |
硫化水素 | 3.0 | ND | ND |
メチルメルカプタン | ND | ND | ND | |
スメロンラックDL-N 300ppm |
硫化水素 | ND | ND | ND |
メチルメルカプタン | ND | ND | ND |
※ 硫化水素の濃度と影響(参考)
硫化水素濃度 | 作用 |
---|---|
1000~2000ppm | 即死 |
600ppm | 1時間で致命的中毒 |
200~300ppm | 1時間で急性中毒 |
100~200ppm | 臭覚麻痺 |
50~100ppm | 気道刺激、結膜炎 |
5.0ppm | 許容濃度・労働安全衛生法規制値 |
結果
【推奨薬剤及び推奨添加量】
液体脱臭剤『スメロンラックDL-N』100~200ppm
【対策後の状況】
硫化水素臭を低減させることで、曝気槽内のDO値が回復、処理能力向上に伴いpHも改善されました。曝気槽へは、BOD分解促進のため「SANA-WN-EX」を併用して使用しました。
調整槽内蓄積物の清掃後、臭気は根本的に改善しました。以後、調整槽へ散気管設置「SANA-WN-EX」を調整槽に添加し分解を進めることでの臭気発生抑制、曝気槽への負荷低減をおこない、長期的安定化となりました。
導入製品
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