明太子加工工場 排水処理施設
廃液対策・経費削減事例
- 排水対策
施設概要
現状
- 処理方式
- 調整槽→加圧浮上槽-曝気槽-沈殿槽
水質分析
分析項目 | ①加圧浮上前水 | ②廃液 | ①流入40m3/日 ②100L/日混合時の仮定値 |
---|---|---|---|
pH | 5.9 | 5.8 | 5.8~5.9 |
COD(mg/L) | 540 | 35000 | 625 |
BOD(mg/L) | 1100 | 58000 | 1241 |
全リン(mg/L) | 32 | 2000 | 36.9 |
全窒素(mg/L) | 200 | 12000 | 229 |
塩化物イオン(mg/L) | 2600 | 50000 | 2718 |
塩化物イオン
流入量40m3で塩化物イオン2,600mg/Lの場合、塩分は104kg、廃液100Lで塩化物イオン50,000mg/Lの場合、塩分は5kgと仮定できます。総計塩分量(仮定)109kgは、約0.27%の塩濃度原水となることが考えられ、曝気槽での処理は可能と判断できます。COD値やBOD値も上記の計算式に当てはめ、混合時の数値を記載しています。加圧浮上装置前水を採水しており、実機でのBOD値等は今回採水時に比べ低く推移します。
施設計算式
- BOD量49.7kg/日=流入量40.1m3×BOD値1,241ppm÷1000
(流入40m3/日+廃液100L/日で計算) - BOD容積負荷0.41kg/m3(0.4〜0.8が適正値)=BOD量49.7kg/日÷曝気槽容積120m3
- MLVSS量300kg=曝気槽容積60m3(第一第四曝気槽容積で計算)×MLSS値5,000ppm(仮定値で計算)÷1000
- BOD・MLSS負荷0.16kg/kg・日=49.7÷MLSS300kg/日
(標準活性汚泥方式で、0.2~0.4が適正値)
上記計算式より、BODも問題なく分解処理出来ることが分かります。
【顕微鏡写真】
フロック全体像(40倍)
フロック全体像(100倍)
【曝気槽水 顕微鏡検査】指標生物詳細 ※試験前検体
指標 | 生物名 | 出現強度 |
---|---|---|
良性 | モノスティラ | 多 |
ボルティセラ | 中 | |
中間性 | カテヌラ | 中 |
シャトノータス | 中 |
モノスティラ:BOD処理良好の低負荷進行の環境下
ボルティセラ:BOD処理良好の環境下で出現
カテヌラ:低負荷進行の環境下で出現
シャトノータス:低負荷進行の環境下で出現
【生物写真】
カテヌラ
ボルティセラ
シャトノータス
モノスティラ
考察
曝気試験開始前
汚泥フロックは圧密性があります。良性指標生物が多く観察でき、BOD処理良好、低負荷指標生物も同時に出現している事から、低負荷進行の環境下であると推察できます。
試験
1.A.流入量に対して0.03%の廃液を混合する。
2.曝気槽水1Lを固液分離し340mlの上澄み水を排出、A.を340ml投入し計1Lとし曝気を行い、フロック形成、パンクテストによる硝化反応の調査をおこなう。
3. 2系列用意し、1系列は無添加、もう1系列は「SANA-BASE-5」を投入する。
4.現状と同じ運転に近い、1時間曝気7時間停止、16時間曝気で間欠曝気設定をおこなう。
※「SANA-BASE5」は、曝気停止前に投入する。
顕微鏡写真(※曝気24時間後 無添加区)
フロック全体像(40倍)
フロック拡大像(100倍)
顕微鏡写真顕微鏡写真(※曝気24時間後 SANA-BASE5添加区)
フロック全体像(40倍)
フロック拡大像(100倍)
試験結果考察
無添加区及び「SANA-BASE5」共に、モノスティラやコルレラ等のワムシ系の死骸が多く観察出来ましたが、バッチ式の試験方法であることから、原水投入時に急激な負荷が掛かったことでの環境変化によるものと考えられます。
汚泥フロック形成は維持されており、塩分流入による汚泥フロック解体は抑制されている状態と考えられます。
「SANA-BASE5」添加区は、無添加区に比べ、汚泥生成が良好に行われている事が確認出来ます。
対策
廃液投入時に塩分濃度が急激に上昇することで、原水流入スタートである第一曝気槽にてバクテリアへの影響が出ることが予想されます。点滴添加等、原水へ希釈しながらの投入設定を行っていただく。
懸念点
廃液中に含まれる窒素、リンが少なからず原水にプラスされることから、窒素⇒硝化脱窒対策(間欠曝気、脱窒促進でSANA-BASE5)、リン⇒リンの過剰摂取及び汚泥フロック吸着(間欠曝気、汚泥生成吸着でSANA-BASE5)の対策強化は、処理水質安定に繋がると考えます。
製品面から
SANA-BASE5は、MLSS及びMLVSSの向上、及び新たに生成された汚泥によるリンの吸着効果に加え、配合バクテリアの塩分耐性により、処理能力維持効果が期待できます。窒素、リン対策に於いても、投入量が多い程効果が見込めます。
投入量について
推奨製品 | 添加量 | 添加場所 | 備考 |
---|---|---|---|
SANA-BASE5 | 曝気槽容積に対して25ppm~/日 (120m3に対して3kg) | 曝気槽入口 | BOD源補給でのバクテリア増殖、及びフロック形成促進によるフロック解体抑制、リンの吸着での放流水質改善、脱窒促進のため。 |
結果
経費削減メリット
廃液費用:約300,000円/月 (約3,600,000円/年)かかっていましたが、『SANA-BASE5』を使用することで、年間約2,250,000円の経費削減を達成!
注釈
- 流入水基質、設備状況による処理能力や、運転方法操作変更の有無で効果は異なります。
- 季節毎の水温による処理能力変化、製造品目の変更等によっても、効果は異なります。
※施設状況、流入水基質を把握した上で、各排水処理場毎の最善なご提案をいたします。ご提案における水質分析、顕微鏡観察など、無償にて実施しています。お気軽にご相談ください。
導入製品
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